鍛冶道具

日本刀の鍛錬から製作にあたって使用された道具は、およそ30種類あります。

たたらの送風動力になった「鞴(ふいご)」は、たたら場では足踏み式ですが、手動によるものや、刀工が使う箱型のものもあります。長方形型になっており、柄を抜き差しして風を送る仕組みです。

 

「大槌(おおづち)」は、向槌(むこうづち)とも呼ばれ、鋼を鍛錬する時に用いられます。

その重さはおよそ8kgと重く、柄の長さは85cm、頭は鋼材でできています。

 

「小槌(こづち)」は、およそ1.2kgで、柄の長さは30cmほど、頭は大槌と同じく鋼材でできています。主に鍛錬の時に大槌と合わせて用いられますが、素延べ(すのべ)にも使われます。

 

炉で鋼を沸かし、金敷の上で鍛錬する際に、その鋼を支える棒のことを「てこ棒」、乗せる台のことを「てこ台」と呼びます。どちらも材質は和鉄で、てこ棒の重さは1.7kg、柄の長さは18cmほどです。

 

玉鋼を打ち延ばすときには、金敷から落ちないように固定するため「大箸(おおばし)」「平箸(ひらばし)」「玉箸(たまばし)」と呼ばれる箸を使います。

 

「切りたがね」は、柄の長さ33cm、頭は鋼材でできたおよそ1kgの斧のような形状のもので、折り返し鍛錬を行う際に、折り返しがしやすいよう切り込みを入れるための道具です。

 

皮鉄をU字型に折り曲げるときには「あてびし」や「U字台」を用います。

 

他には、焼き入れの際に刀身の茎に差し込む「焼柄(やきづか)」、火の粉や酸化膜を払うための「藁帚(わらぼうき)」、焼き入れで刀身がねじれてしまった時は「ねじり取り」、火造りを終えた後に刀身の表面を整形するための「せん鋤(せんすき)」などがあります。

 

それでは一般的な製作工程を見ていきましょう。